小浜は基本的に「産地市場」です。早朝に出港した船が戻ってきて、それを素早く競り落とす。激しいやりとりを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、小浜の競りは他の地域に比べて穏やかなんですよ。だからか、何となく小浜人は優しくて穏やかな感じがしますね。ブランドものとしては、越前ガニに次いで若狭ぐじの「極（きわみ）」の基準が定められたので、そういったものも取り扱っています。特に小浜の港は四季折々で撮れるものが刻々と変わっていきますから、旬を見逃さないように堪能してほしいですね。

いくつかの市場を見てきましたが、特に小浜の魚屋さんはこだわりがものすごいあると感じています。そして、魚を加工する技術が高くて優れています。獲れた魚はそのまま出荷するのが普通ですが、小浜は干物にしたり調理したりして地元で加工できるんです。特に醤油干しは小浜だけの文化ですね。定置網、底引き、釣りもの、養殖など、全て揃っていてものすごい数の魚種が獲れること、そして、細かい手先を使った加工ができるのは小浜だけなんですよ。遠いところだと兵庫県から買い求めにくる業者も結構います。それは、技術が極まっているからなんでしょうね。